2018年2月16日金曜日

【2月15日(木)】 自然の法則にその身をまかせ [住民693日目]

国道158号線は、一昨日から通行止めが続いている。
雪崩が発生しており、徴候である亀裂も複数個所で見られるから、安全のためにと。


でも僕たち、和泉地区民が暮らしてるんだぜ。


なので午前と午後の三時間ずつ、解除されるという。
通してる間に雪崩が起きたら笑えるな。いや笑えないけど。

解除されてる時間帯に、スコップを買いに行かねばならない。
このあいだ、ぶっ壊れ遊ばされたので。そしてプラスチック製では、やはり間に合わないので。


と思ったら、貸してくださった方が。ありがたい、これで雪かきまくれるぜ。


屋根には、かなりの量が積もってしまっている。けっこうな厚みだ。


そして、地べたから積もっている雪と繋がってしまっている。
こうなると庇が曲がり、最悪は家が潰れてしまう恐れも。

和泉地区内でも、今回の大雪のため、屋根の一部が壊れた空き家もあるのだ。


とりあえず、まずは連結部分を切っていく。


積もった雪の下の方は、水分を含んで凍り、カチカチになってしまう。
これが人や車に落ちてきたら、えらいことである。もはや凶器だ。


反対側の屋根も切る。しかし、これは一時しのぎに過ぎない。
あとはひたすら、元凶である屋根雪を投げていく。
時間の許す限り、というか身体が保つ限り、というか気持ちが続く限りだ。

とにかく果てしないし、飽きてくるし。
なんでこんな生産性の無い仕事をせんならんのだ、と思うと嫌になるし。

だがまあ、都会で月に何万円もの家賃を取られるのに比べたら、田舎はタダ同然。
それを考えるだけでも、雪かきの苦労くらいは然るべき代償なのかもしれない。

時おりポキンポキンと、心の折れる音がする。
そんなときはダクトテープでぐるぐる巻きにして補修して、
もう少しあとちょっとだけ逃げちゃダメだと、己を鼓舞して作業を続けるのだ。


夕飯のおかずを差し入れてくださった方が。ありがたい。
あるものでつくっただけだけど、と仰るが、これはごちそうだ。

おいしくいただき、温まった。心も体もな。


2018年2月15日木曜日

【2月14日(水)】 お菓子を食べればいいじゃない [住民692日目]

昨日は大雪、今日は日本晴れ。なんだ、ツンデレなのか。


水曜日なので、より処を営業。


しかし残念ながら、ワンコインランチはお休み。
大雪の影響で、買い出しなどの準備が困難だったためだ。


国道も、未だに通行止めが続いているし。


今いちど触れておくと、和泉地区というのは山の中に在する。
地区内にはコンビニどころか、スーパーや商店も無い。
となり町は、西に大野市の中心部、東に岐阜県の郡上市。
でもどちらへ行くにも、カーブの多い山道を車で30~40分だ。
雪ならもっと時間はかかるし、スリップも雪崩もあるし、わりと命がけのドライブとなる。

そんなところだが、逆にいうと、
そんなところにわざわざ移住して住みついている人たちがたくさんいるのだから、
それだけの魅力があるということでもある。


ボランティアスタッフのお母さん方が、まかない昼食をつくってくださった。
雪国に生きる人たちは、冷凍ストッカーに諸々の食材を保存しているのだ。


豆ごはん。丹波の黒豆が用いられている。どれもおいしかった、ありがたい。


和泉小中学校も休校。国道が通行止めだから、先生がたも出勤できないのだ。
そのおかげ、という表現も違うけど、子どもたちが遊びに来てくれる。計9名ほど。
ジュースやサイダーなどを飲みながら、ゲームや漫画に興じていた。


大雪のせいで多くの福井県民が忘れていたかもしれないが、今日はバレンタインデー。
心優しい和泉っ子は、僕にも友チョコ、ならぬ友菓子をくれた。

この写真だと分かりづらいけど、雪の球みたいでサクサクしたお菓子。
ブールドネージュというやつかな。


こちらはソフトクッキー。甘党の僕はありがたく、どちらもおいしくいただいた。

みんな雪かきで忙しいから誰も来ないかな、と思っていたものの、
子どもたちが来てくれたので賑やかな日となった。良かったよかった。


先週は「より処の概要」を作り直した。今週は「おしながき」を直してみる。
いや、その他って何だよ。間違えたな。こんど再修正しよう。


各テーブル用のミニ版もつくってみた。
今まではA4のをポンと置いてただけで、おもしろみが無かったしな。

オープンから一年半になろうというところで、だいぶ今さらではあるが。
まあこういう細かい部分も、気付いたときに。


より処からの帰り道、鳥さんに出会った。近距離でも、じっと動かず、僕を睨め付ける。
恥ずかしながら鳥類には一ミリも造詣が無いので、あとから調べてみた。
へー、キミがカケスちゃんなのね。こういう機会に、ひとつ勉強だ。


というか考えてみたら、狩猟試験の勉強で触れてたぞ。
狩猟鳥獣と誤認されやすい鳥類、の一つだった。
一知半解、あるいは狩猟読本読みの狩猟鳥獣知らず、か。まあ今度こそ理解した。


屋根雪下ろしでもしてやるか。リアルにヤバそうだし。


こんなんなってるし。


家の左右と、車まわりも。三時間以上がんばったけど、どうにも進展が悪い。

地べたに積もった雪と、一階屋根の雪。すっかり繋がって固まってしまっている。
物理には一ミリも造詣が無いけど、下から引っ張られるからヤバいと聞く。
ちゃんとした金属製のスコップを手に入れて、切らないとダメだな。
それまで、家が潰れなければ良いけど。


2018年2月13日火曜日

【2月12-13日(月-火)】 But honestly I just need to be a little crazy [住民690-691日目]

2月12日(月)

えーと、天候を司る神って誰だったっけ。
ちょっと苦情を入れたいんだけど、ご意見ご要望用のフリーダイヤルって何番だろ。


もはや災害といえる豪雪が一段落したかと思ったら、また大雪らしい。


軽く吹雪いていて、視界も悪い。


レンタルスキーに来ると、電話連絡が。ちょっと様子をみてから、お店を開けようと。
いやもう来ちゃったし、いずれ雪かきするのは僕なので、一人で作業。


動画シリーズ・雪国の日常。

「家でもこっちでも、大変やねー」「身体と相談しながら、ぼちぼちやって」
「(この雪は)どうしたもんかのー」
通りがかったお母さん方が、声をかけてくれる。


良い汗かいたぜ。
留守電が入っていた。本日の営業はやめましょうとのこと。
ああ、これ骨折り損てやつ。まあ良いトレーニングだったさ。


積雪は、昨夜から20cmほど増えている。


平年の2.3倍だそうだ。つまり、平年は104cmくらいなのか。

ちなみに気象用語でいう「平年」とは、1981年から2010年の30年間の、平均値だそうだ。
素人感覚では、直近10年間の値とかを用いた方が良いような気もするのだが。まあどうでもいい。


時間とともに、増えていく雪。


そして観測史上最多となる、273cmにまで達した。まじか。

ちなみにこの「観測史」だが、九頭竜の積雪計の場合、ここ35年間くらいっぽい。
五六(ごーろく)豪雪のとき、つまり1981年には電線まで埋もれた、という話を聞くしな。
史上初、という言葉はセンセーショナルだからよく使われるけど、
どういう史なのか、史っかり史らべることも大切だ。

とはいえ、平成では最多なわけである。まじか。


2月13日(火)

What the hell? 朝には遂に大台、300cmになっていた。
最近は全国ニュースにもよく登場するからな、九頭竜もだいぶ有名になってきたか。
そろそろ福井県民も発狂しそうだが、山形の433cmに比べたら軽いほう。とはいえ、


玄関を開けたら、雪の壁。


そして、ひたすらに雪。


車は、かろうじてワイパーの先端だけを覗かせていた。
一番の埋もれ具合だ。これまでが、かわいいもんだったのだな。


この家、いよいよ潰れるんじゃないだろうか。
倒壊した家屋の下から発見された、とかニュースでやってたら、笑ってやってくれ。


霊柩車みたい。


ここは、本当に僕の知る和泉地区なのだろうか。どこか別の次元なのではないだろうか。
そんな不安すら覚えるような、ただただ白い、ただただ静かな世界。

大雨や雷も怖いが、音も無く降り積もり続ける雪には、不気味な恐ろしさがある。


最大で301cm。
そして国道158号線は、またも通行止めになってしまったらしい。
大野市の街なかから岐阜県の方までだから、和泉地区は一時的に、陸の孤島状態だ。


あと、たぶんゼウスっぽい。
古代ギリシャ語を勉強してからじゃないと、クレームも受理してもらえないか。
じゃいいや、めんどくさい。雪を受け入れるさ。


2018年2月11日日曜日

【2月10-11日(土-日)】 無力な雪よ 昨日の街を 覆っているけど [住民688-689日目]

2月10日(土)

大雪のため営業を休止していた、レンタルスキー。
月曜の午前依頼の、営業再開となる。


が、出入り口には雪の階段が。
水分を含んで既に硬くなってしまっているので、金属製のスコップで崩しながら雪かき。


膝を曲げ、立ち上がる動作。腰を回転させる動作。
そういう動きを利用して、なるべく身体全体をつかうよう意識して、雪を投げていく。
特定の箇所だけに負荷をかけると、痛めたり傷めたりするからな。


良い汗かいたぜ。

しかし腰や背中へのダメージは、日に日に増しているのを感じる。
やはり余計な負担は、かかってしまっているようだ。


きょう借りて、あした返しに来る団体さんが40名ほど。
午前中に一式の準備をして、昼から貸し出す。


2月11日(日)

大野市と岐阜県とを繋ぐ一本道、国道158号線。
雪崩の危険性が高いということで、昨夜から通行止めとなったらしい。
その中間に位置する和泉地区は、寸断というか、完全に孤立状態である。まじか。

そんな状況では、さすがにスキー場も営業中止。
なのだが、レンタルスキーの仕事はある。


その団体さんが、朝一番で出て行ったそうだ。滑れないなら、まあそうなる。
でも、スキー場に隣接するパークホテル九頭竜に、取り残されたレンタル用品たち。
僕たちスタッフが軽トラでお邪魔し、運び出し作業に精を出すことに。ああそうなるのか。

これも仕事だから、全然いいんだけどね。良い汗かいたし。
でも先方から連絡の一つくらいくれるのが、人としての礼節だとは思うのだが。


そんなんしているうちに、通行止めも解除され、やっぱりスキー場も営業するという。
閉店するはずだった日だが、お客さんも数組が訪れ、ちゃんと売上げになった。


しかし、またも降り始めた雪。除けても退けても、すぐにこうして積もってくれやがる。
天気予報によると、このあと1,2日、また大雪らしい。まじか。


2mを切っていた積雪も、また増え始めた。
もう積もらなくて良いからねって言ったよね僕。聞いてなかったのかな、君。

この一週間、テレビの一角では常に大雪情報が報じられている。
今年の雪は、もはや災害といって過言では無いのだろう。