2018年5月25日金曜日

【5月21-25日(月-金)】 大袈裟な荷物しょって来た [猟師17-21日目]

遅めのゴールデンウィークを終え、仕事は実質の二週目に突入。
一週目には行かなかった、僕にとっては初となる現場へ。


特別に林道を通らせてもらっている。小一時間ほどかけ、上へ。
途中、警戒心の薄いシカちゃんにも出会うが、これは諸般の事情で撃てない。


まずは登山小屋のあるエリアに、会社のテントを設営する。

もともと超インドアだったのに、こんなこともスムーズにできるようになっている自分。
カナダ自転車横断での野営生活に、端を発しているのだな。


小屋付近ではシカが餌付けされているらしく、めっちゃ寄ってきている。
この子たちも、諸般の事情により以下略。


さて仕事だ。地下足袋が良いと聞いたので履いてみたら、なかなかラク。


クマ鈴も付けて、


背負子(しょいこ)に荷を詰め込んで、背負う。よっしょいこ、と。

まだ現場で銃を持てない僕は、荷物運びが主な業務だ。ポーターと言った方がカッコいいかも。
これで15kgくらいか。今後、まだまだ重いものを持つようになる。


荷物というのは、シカの餌となるヘイキューブ。これを持って登山道を上っていき、


シカが来るであろう、エサ撒きポイントに散らばしていく。
これは餌付けでは無く、誘引という。シカが通(かよ)ってくれるようになれば、成功だ。

小一時間かけて、数ヶ所に。荷は少しずつ軽くなるから、楽勝だぜ。


日中は暑くても、日が傾き出してからは一気に寒くなる。標高1,800mくらいなので。
でも星は、めっちゃよく見えた。


とはいえ夜のテント泊は、だいぶ冷える。
フリースを着てスキーウェアを着て、寝袋に包まって布団に入って、ようやく適温。


それはともかく、キャンプで淹れるコーヒーやお茶は格別である。


待機となった時間・シカの待ち伏せ中・夜の自由時間などには読書なんかしたり、


テキストを読み込んだり。
認定鳥獣捕獲等事業者として仕事をしていくにあたり、研修をする必要があるのだ。


夜の林道を、一人でドライブすることもあった。ガタガタ道にも、慣れてきたかな。


エサを撒いて、待ち伏せ・監視をして。
週の前半は調子が悪かったものの、後半には数頭のシカが捕獲された。
入社してからは初となり、写真を撮るなどの処理も教えていただくことができた。

軽めの荷物に慣れ、エサ撒きや捕獲後の対応などを学べた週。
出だしとしては良い感じかな。まだまだ、これからだが。



ところで携帯電話を山の中で紛失したため、僕に連絡をつけづらい状態となっている。
週末中には何とかするつもりだ。もし御用の方がいらしたら、しばしお待ちいただきたい。


2018年5月20日日曜日

【5月12-20日(土-日)】 今度こそ 躊躇などせずに その引き金を引きたい [猟師8-16日目]

初出勤の一週間を終え、土日。
会社の方にお付き合いいただき、仕事に適した装備などを揃えたり。


高校時代の同級生2名と、近場の餃子屋さんで一杯やったり。
こういうのが気軽にできるのは、都市部の良い面ではある。

さて二週目の仕事も頑張っていくか。
と言いたいところなのだが、今週はずっと、早くも有給休暇を取るようにとのこと。
平日にすべき諸々の申請等があるし、仕事がら希望日に有給は貰いづらいし。


というわけで月曜日、まずは管轄の警察署へ出頭。というネタも使い古してきたな。


運転免許証の住所変更をしてもらい、


車庫証明の申請をする。


ちょっと離れた市に在する環境局を訪れ、


狩猟免状の住所変更をしてもらう。


わな猟・第一種銃猟と、それぞれ。職員さんが手書きしてくれるタイプ。
これだけでも、半日ちょいの手間だ。


火曜日、ふたたび警察署へ。先方の都合に合わせねばならない。
銃の所持許可証も住所等の変更をしてもらう。
銃所持者の場合、引越しに際して、これが一番大事と言っても良いかもしれない。


ついでに、火薬譲受許可も申請。弾を買うのにも、許可が必要なのである。
2,000発つけてくれた。これから毎月、100発200発あるいはそれ以上、
射撃場での練習を重ねていくのだ。


水曜日、証明写真機を探し回る。
前科三犯くらいありそうな感じになってきたかな。どんどん人相が悪くなっていくぞ。


ふたたび環境局へ。ことし期限が切れる狩猟免状の、更新講習を申し込む。
わな・銃それぞれで手数料がかかり、狩猟読本の代金も含まれているということで、
二冊もらった。こんど和泉に帰ったら、より処に一冊、こっそり置いておくか。


ちなみに街を歩いているとき、パトロール中のお巡りさんと出くわした。
「ちょっとお話、よろしいですか」職務質問である。まあ和柄ヒゲ坊主だから当然。
もう慣れたもんで、秒速で運転免許証を手渡し、にこやかに対応。
「あ、話してみればもう、大丈夫な方だとすぐに分かります」
と、いつも言われる。1,2分で、ボディチェックも無く解放された。


木曜日、みたび警察署を訪れ車庫証明を受け取ったら、
小一時間ほど離れた市にある、運輸局へ。


車検証類の住所変更等の手続きだ。いろいろ書いて窓口に提出するも、ちょっと問題が。

僕は和泉地区内でも2回の引越しをしているのだが、その際の届け出に不備があった。
住所の繋がりを確認しなければならないんですよ、ということなので、


本籍のある八王子市へ戻り、


戸籍の附票というのを発行してもらう。今までの住所履歴が分かるのだ、知らなかった。
載りきっていないが、これ以前にも2回の引越しがあったし、
カナダ時代には6回くらい家を移っているから、どれだけ転勤族なのだろうか。


附票を持って再度、運輸局へ。今度は通った。
施設内の建物を3ヶ所くらい行ったり来たりさせられ、福井ナンバーを取り外す。
ネジが一本、離れたくないと駄々をこねていたが、汗だくになって引き剥がし、


二年ちょっとお世話になったナンバーに別れを告げる。ありがとう。


購入地のナンバーのままにしている人もいるようだが、
本当は居住地の管轄ナンバーに変える義務があるらしい。

実家の方から持って来てる、とかならバレづらいだろうし、それで良いんだろうけど。
数千円の手数料等と数時間の手間だけとはいえ、正直者が馬鹿を見る部分はあるか。


僕の実家なら八王子ナンバーだし、今のアパート裏の川むこうなら相模ナンバーだったところ、
微妙に中間の町田市なので、多摩ナンバーになった。良いんじゃない、平和な感じ。


保管場所標章も。しっかりし過ぎだな、日本は。他国の事情は知らないけども。
ちなみに福井にいる間は、これを貼っていなかった。
和泉地区の場合はどこでも停められるから、車庫証明も不要だったのである。


あちこち動き回ったし、福井の方の公的機関からは上から目線の電話がきたりし、
ちょっと心労。


なので息抜き。
とあるショッピングモール内に、和柄製品を扱っているお店がある。
と聞いたので、来てみた。興奮するぜ。


ハーフジーンズなどをお買い上げ。
普段はネットで買ってるけど、手にとって見られるのは良いね。


もう一つ息抜きに、近所のラーメン屋さんを開拓。


ダシが濃厚で、旨かった。

で、平日にしなければならない申請類は、ひと通り終わった。はず。
あとは日を改めて、自宅での銃の保管状況を、お巡りさんが確認に来るくらいか。

ひとつクレームだけど、こういう公的手続き、一ヶ所で一元化できないもんなのかね。
もしくはインターネットで済ませられればラクなんだけど。
平成も終わろうというのに、いまだ超絶アナログで、超絶めんどくさい社会だ。


金曜日、諸々の買い物へ。
車に自転車を積み込み、自転車屋さんへ。タイヤを替えてもらおうと思ったのだが、
ちょうど在庫切れとのこと。残念、出直しだ。

しかし東京の西側、多摩地域。都心でも無いのに、交通量はムダに多い。
一本内側の道に入れば、歩行者や自転車も多いし、信号の無い横断歩道もたくさん。
運転中、やたらと気を張る。
福井で30分の距離でも、ここらだと、倍の一時間くらいかかってる気がする。

あとは、緊急車両も頻繁に走っている。
和泉地区だったら、救急車なんか出た日にはみんな目で追うし、次の日の話題になるからな。
という、田舎と都市部の、道路事情あるある。


帰り道、すれ違ったパトカーがUターンをした。あー、これはもしかしてか。
「前の黒い車の運転手さん、ちょっと左に寄って停まっていただけますか」
今週二回目の、職務質問である。さすが警視庁、警戒レベルが他県と違うのか。

いつものように対応するものの、
「これは何ですか」


普段は持ち歩いたりしないのに、こんな日に限って、自転車と一緒に車内にいた。
ペンチやらドライバーやらが一緒になった、いわゆる十徳だ。
これに付いているナイフが、銃刀法に引っかかるかどうか、微妙な刃渡りだったらしい。

車内や手荷物も丹念に調べ、どうしようか悩んでいたお巡りさんたち。
しかし僕の人柄や協力的な姿勢などを見てくれたのか、注意で済ませてくれた。
せめて工具箱に入れるか、もう持ち歩かないことだ。

まあ、うっかりしていた僕が悪いのだが。
これで切符を切られてたら、不服申し立てしてたかな。


土曜日、近所の銃砲店を訪れる。和泉地区から一番近いお店は小一時間かかるけど、
こちらは10分弱くらいで行ける。都市部の利点。


散弾を100発と、スラッグ弾という一発弾を10発、購入した。
今後、頻繁にお世話になるだろう。

ちなみにモノにもよるが、前者は一発40円くらい、後者は一発200円くらいである。
まあバカにはならない。


夕方、インターホンが鳴ったので玄関を開けると、女性が二人。
福井では訪問販売の類など皆無だったものの、やはり都市部は違うな。

僕は宗教やらないけど、理解はあるつもりだ。
ちょっとお喋りし、読ませてもらいますと受け取り、頑張ってくださいと見送った。
色々な考え方があって良いと思うし、それらに触れてみるのも、おもしろいと思う。

同じ人間なんだし、無下に追い払うのも違うだろう。
勧誘されたら、丁重にお断りするだけだ。僕は自分の信念に従う、ぼく教なので。と。


日曜日、会社の方々お二人と一緒に、伊勢原の射撃場へ。
ここは県立ということもあってか、広々とした施設だ。


姿見がある。これを前に、自分の姿勢などを確認することができる。

ところで、普段は絶対にしないような服装だけど、
会社の方が仕事着としてコーデしてくれたので、身を包んでみた。
でもこういう感じなら、意外とヒゲ坊主にも合ってるのかもしれない。分からんけど。


この一週間、自宅での挙銃練習は欠かさなかった。
こう見えて、真面目で努力家だからな。どう見えてるのか知らんが。

まだ、顔で銃を迎えに行っている感がある。あと、もう少し前屈みにすべき。
腕以外は動かさず、0.1秒くらいで構えられるようにならなければ。練習だ。


トラップという種目の方が当てやすいのだが、実戦向きなのはこちら、スキート。
僕の会社では、主にスキートで練習を重ねていく。

ハウス(クレーを射出する機械)が左右に設置されており、射台(立ち位置)は8ヶ所。
横方向だけど、射台ごとに違う角度で飛んでくるわけだ。


やりやすいのは、両端の1番と7番射台。横の動きが少ないからだ。
初心者の僕は、主にここで、社長に教えていただきながら撃っていく。
競技では全ての射台を周るけど、練習では好きなところで好きなだけ撃って良い。
拾い撃ち、と呼ばれている。

しっかり基礎を教わって取り組んでみると、けっこう当たった。


ひとつ射台をズレて、2番と6番も何度か。
少し横方向になってくるだけでも、今度はなかなか当たらない。
一発ごとに反芻し、修正し、気持ちを切らさないように続けていく。


1ラウンドが基本的に25発。掛けること4回で、計100発。
一日の練習量としては、これくらいが目安になるそうだ。

/が当たり、○がハズレ。数字は射台番号。
Pはプール、向かって左からの射出。Mはマーク、右から。
いちおう全体の過半数は撃破しているし、見違えたと言っても過言では無いかも。
社長のご指導が良いのだ、ありがたい。

ちなみに使用料とクレー代で、これくらいかかる。
前述の弾代もあるから、趣味にするにはなかなかブルジョアである。
実際、射撃場に停まっている車は、ピカピカなのばかり。
まあ楽しくなってきたし、僕の場合は仕事に直結するし、自分への投資だ。
会社からも、射撃技能手当という形で、多少の補助は出してもらえる。



そんなわけで遅めのゴールデンウィーク、9連休を終え、
新しい仕事は実質の二週目に突入していく。
ようやく働けるぜ。わくわくするぜ。