2016年3月17日木曜日

【3月16日(水)】 こんなとこに いるはずもないのに [一時帰省3日目]

緑のふるさと協力隊の任が解け、はや三日。
昨日一昨日は、大学警備員時代の仕事仲間と会ったり、八王子の駅周辺をぶらついたりしていた。

都会というのは、いつ何処へ行っても人で溢れている。
(あれ、和泉の○○さんじゃないか)(お、同期の■■かな)
とか思って目で追ってしまうことがあるが、もちろん見間違いだ。もう恋しくなっているのか。

広い街のなかに、ひとり。この孤独感は、何か心をざわつかせるものがある。


さて、今日は実家近くのお寺を訪れる。
かねてより佐宗家は檀家。幼少期の記憶で、今でも形に残っている数少ない場所だ。


お彼岸前なので、母と一緒にお墓掃除。
そして、つい先日 旅立って行った大叔母さんにも手を合わせる。

一時的にニート状態のいま、別段やることもなく、何だか気持ちがふわふわしている部分があった。
でもお墓に来ると、少し落ち着くような気がするね。


2016年3月14日月曜日

【3月10-13日(木-日)】 少し疲れて くじけそうなら ゆっくり歩けばいいよ [活動337-340日目]

3月10日(木)

昨夜は担当者さんに食事へ連れて行っていただき、お宅に泊めていただいた。ありがたいことです。

そして緑のふるさと協力隊・総括研修のため、東京へ発つ朝。
一年間お世話になったリースの軽トラに別れを告げる。


走行距離は、僅かに一万キロに届かなかった。残念。
多く走ったから偉いとかいうわけじゃないけども。

五時間半ほど電車で旅をし、渋谷区は参宮橋駅に到着。
3月の東京は、福井よりも冷えるように感じた。どこか暴力的な寒さのような。


駅前で再会した同期4人とカレー屋さんへ。チキンカレー中辛は、なかなか辛かった。


そして中間研修でも訪れた、オリンピックセンターへ。
岩手から沖縄まで散らばっていた同期26人が再会する。


オリエンテーションののち、まずは一人五分ずつの個人発表。この一年を振り返って、各々の想いなどを語る。


夕飯は、和・洋・中・麺・丼などから選べる。男子と女子の曖昧な距離感、中学生みたいだ。


残業でつくられた夜景を横目に、明後日の公開報告会に向けた概要説明など。
そして、協力隊がみた「たから」「人」「課題」「未来」の4つのテーマに分け、グループ分けをする。僕はfutureへ。


さっそく、ある程度のアイデア出し。


田舎から移動して来るだけでも、それなりに疲れる。酒盛りはせず、しばし談話。


今回は個人部屋。こじんまりとして、良い感じである。


今期隊員たちの一年間のあゆみを、冊子にしてくれたようだ。


こんな感じで、それぞれが見つけた魅力などが載っている。


 
担当者さんが、謎の素敵な文章を寄稿してくれていた。嬉しいことです。


3月11日(金)

研修二日目。明日の報告会に向け、いちにち作業の日である。
グループ発表は模造紙4枚ぶん。加えて各個人も、活動地域紹介の展示を作成しなければならない。


時間に追われるなか、議論が紛糾したり考えが行き詰まったりもする。
基本的には賑やかに作業するものの、時にピリピリした空気も漂う。

けっきょく時間内に終わらず、部屋に持ち帰りとなる個人・グループも少なくなかった。
2時くらいまでかかったところもあったようである。僕らの班は終了していたので、何だか申し訳ないような気も。


3月12日(土)

研修三日目、公開報告会の日。



きのう合間をみて、各々が書いた習字。
僕は「人生意気(じんせいいき)に感ず」にしてみた。人は利害で無く心で動く、みたいな意味である。
「生意気」と誤読されてしまったので、ふりがなを付けましたが。


個人展示をはじめ、会場を設営していく。


そして「エキサイト☆ふるさと2016」が開会。
隊員たちには疲労が色濃くみえ、あまりエキサイトしてる感は無いんだけども。
来場者数は200人弱ほどか。


地球緑化センター理事長挨拶ののち、さっそくグループ発表。各班の持ち時間は13分間なので、一人あたま2分ほどだ。

テーマ①『自然と共にある暮らしの魅力 ~農山村は「たから」の山』
紙芝居風に、ストーリーを通して「たから」を上手く伝えていた。


テーマ②『人に魅せられ、人に学ぶ ~つながりが教えてくれた”生きる”の楽しさ』
デザインとイラストのスキルに長ける当班は、ビジュアルを上手くつかい「人」の魅力を伝える。


テーマ③『協力隊発信!~これからの地域のために』
同班の開始と同時に会場横でスタンバイしていたので、発表は見られず。演劇風に「課題」を伝えたようだ。
(※写真は同期のものを拝借)


テーマ④『「協力隊」から描く未来のカタチ』
活動を通して浮かび上がってきた、想い・自分の未来・地域の未来。そしてそこから見えてきた未来のカタチ。
班員が一人ずつ語り、「未来」を伝えた。
(※同期のものを拝借)


同期の一人が活動していた、長野県泰阜村。副村長による講演『若者と向き合って ~受入地域の想い』が20分ほど。
ちょっと村紹介が長かったけど、田舎に若者が入って来てくれることの意味を語ってくれる。

休憩を挟み、大学教授の方の講演『農山村と都市を往来する若者たち ~通訳者としての可能性』が60分ほど。
さすがに寝てまうな、と思ったが、分かりやすく興味深い内容で、睡魔も聴き入っていたようである。

時間的にみれば、隊員一人ずつ個人発表もできる。それでもおもしろいよな、とは思った。


しばし展示ブース観覧タイム。
自分のを見に来てくれた方々とお喋りしたり、他地域の担当者さんとお話ししたり、同期の親御さんにご挨拶したり。
僕の両親も来場してくれました。



 
 
グループ展示。


そして理事長から、修了証授与。一人ひとり、専務理事の紹介付きで受け取っていく。


協力隊OGで版画作家の方がつくってくれたようだ。


ふりがなの付箋は渡す前に剥がすもんだけど、それもご愛嬌。絵柄が素敵である。


隊員と、希望者のみで懇親会に移行。


各活動地域の担当者さん・協力隊OBOG・次期協力隊・家族・友人など、大勢が参加。
知らない人がたくさんいる場は苦手だし入っていけないので、ちょっと距離を置く。


ちゃんと見られていなかった、同期たちの展示を観て周った。みんなしっかりしている。


年に二回発行した「ふるさと通信」の展示も。


担当者さんが持たせてくれた日本酒、穴馬(あなま)紀行。
和泉村時代につくられた限定品で、いまは数本しか残っていないという。おいしく、好評でした。

三線(さんしん)・ギター・僕の篠笛で合奏しつつ、同期みんなで「ふるさと」を合唱。


ボランティアとして運営にご協力くださった方々が挨拶し、


専任の職員さんと専務理事を胴上げ。毎年恒例らしい。


隊員による民謡も披露され、会は終了。展示品はみんなで協力して片付ける。


ようやく身も心も落ち着き、最後の夜は同期でわいわいと。


3月13日(日)

研修最終日。
今後の進路を記入したり、事務連絡があったり、緑化センターの方々から言葉をいただいたり、一人ずつ感想を述べたり。
もうちょっとのんびり研修できたら良かったかも、とは述べておいた。文句しか言ってねえな、僕。


最後の集合写真。全員で一斉に集うことは、この先において恐らく無いだろうな。
でも少人数で集まったり、個人的に交流したり、時々は会いたいものだ。
縁あって不思議なつながりを持った、変人26人。みんなおもしろくて、楽しかった。

そして「第22期 緑のふるさと協力隊」は修了し、解散。


時間のある10人でお昼へ。お好み焼きを食す。


「一年間、お疲れさまでしたー」「「「おー!」」」
最後まで、上手いこと締まらない。そんな緩さも、また好きだ。


更に時間のある4人で、新宿駅周辺をゆく。人が多い。
カフェにでも入ろうかと思ったら満席。その先にあったカフェも満席。更にその先も満席。
ショッピングビル12Fまで上がるのに、すし詰めのエレベータに乗りこむ。行った先のフロアも人で溢れ、喫茶は満席。

居場所が無い。
4人して愕然とし、しばし項垂れていた。
「都会ってこんなんだっけ」「これからの生活にさっそく不安が」「田舎かえりたい…」そんな声も出る。
お金を払わないと居場所をつくれない街で、そのお金をつかう場所すら無い。
活動地域だったら、自然のなかでも公民館でも近所の人の家でも、どこでも行き場があるのに。
良くも悪くもそんな想いを抱くのは、一年間の活動があったからこそ。
僕たちが学んできたものは、決して取るに足らないことでは無かったのだろう。


さて、佐宗家への帰省に、二人の同期も引き連れる。家族とお喋りしてもらい、しばしのんびりしてもらう。
一人は家が割合近いので、夕方に家路へ就いた。


最後の一人、ナオナオは明朝発の長距離バスで実家へ帰るので、泊まってもらうことに。
半年ぶりに母の料理をいただく。やはり間違いないというか、味付けが落ち着くというか、うまい。
(※母と妹のすっぴん保護のため、画像の一部に処理を施してあります)


そして今日は、弟の誕生日である。僕とナオナオも、一年間ごくろうさまでしたと祝ってもらった。

総括研修についてや、今までの活動や、同期の話や、今後のことなど、二人で色々と夜語りをする。
最後のさいごで、仲間とこんな時間を持てるのは嬉しいことだ。


翌朝ナオナオも出立し、いよいよ同期とは いったんお別れ。
「緑のふるさと協力隊」という道を一緒に歩いてきた26人は、それぞれの新たな路を歩き始めた。
大学へ復学する人、就職する人、活動先へ戻る人、しばし模索する人、さまざま。
26方向ちがうけど、また途中で会うことがあるでしょう。

僕は一人の住民として、福井県大野市和泉地区へ戻る。
うまくやっていけるのか、正直不安が九割を占めているけど、とりあえず頑張るしかない。がんばろう。
同期のみんなには、いつでも気軽に、遊びに来て欲しい。マジで待ってるから。

緑のふるさと協力隊は僕の天職であり、人生で最高に楽しい一年間でした。
関わりのあった全ての人たちに、ありがとう。
そして、これからもよろしく!