2015年12月5日土曜日

【12月3/4日(木/金)】 覆水盆に返らず [活動239/240日目]

担当者さんと一緒にやって来たのは、坂井市の竹田地区。
同じ福井県内で唯一、僕の同期が活動している地域である。


坂井市といえば、油揚げで有名。お昼に立ち寄った「谷口屋」というお店で、


油揚げ丼と豆腐から揚げをごちそうになる。
越前塩やタレをかけたり、お茶漬けにしたり、色々な食べ方を愉しめて、うまい。


そして竹田公民館へ。ここで行われるのが、


和泉地区の特産「穴馬(あなま)かぶら」をつかった料理教室。


講師は和泉のお母さん。竹田のお母さん方10名ほどに、僕の同期であるカズくん、
昨年は緑のふるさと協力隊で今年は地域おこし協力隊をしている方、などが参加してくれた。


漬け物・九頭竜まいたけとのマリネ・豚バラ巻きの三品を、皆さんでわいわいとつくる。


んー、うまい。かぶのシャキシャキとした食感が良いんだよな。お母さん方にも好評でした。


温泉に入り、


張り替えた床の竣工式を兼ねた宴に呼んでいただき、そのまま泊めていただけることに。素敵な部屋である。


ごちそうになったのは、熊やら猪やら鹿やらの肉をつかった料理。


赤身・白身の刺身や、


心臓や、


脳など。初めて口にする、貴重なものばかり。どれも美味でした。


しかし調子よく日本酒を飲み続けてしまい、最後のあたりは記憶が少し飛んでいる。
粗相もしてしまったようで、いい年して人様に迷惑をかけて、何をやっているのか。情けない。
日本酒は特に、飲み方に気を張らねばならないなと再認識。これで学ばなかったら、ただのクソ野郎である。
翌朝、汚してしまった便器は責任を持って掃除させていただいた。猛省しています。


食品や加工品などの販売所「たけだや」。同期のカズくんも、ここの手伝いに来ている。
このあたりは「竹田水車メロディーパーク」となっており、


大小2連の立派な水車や、


地元の工業高校生たちが手掛けたというチャイムなどがある。


近くには、去年の隊員がつくった炭焼き小屋が。


廃校となった学校は、目下改装中。子どもたちが学び、体験できる施設に生まれ変わるそうだ。


近くても今まで来られなかった竹田地区、おもしろいところであった。竹田の皆さん、ありがとうございました。
これで、訪れた同期の活動先は4ヶ所。もう一つ二つくらい、任期中に行っておきたいところだ。


夕方、ご近所のお母さんが豚汁を差し入れてくれた。ごちそうさまです。


2015年12月3日木曜日

【12月2日(水)】 所属しねェから見えて来るもんもある [活動238日目]

東京から遊びに来てくれている友人、滞在二日目。
ゆっくりと起き、ほうじ茶でも飲みながらのんびりと過ごす。


お昼にウィンディさんへ行き、青木さんは名物「かつとじ定食」を、僕はピラフを食す。

公民館を訪ね、少しお喋り。コーヒーも淹れていただいた。
九頭竜ダムと夢のかけはしを見学し、ドライブイン九頭竜までドライブ。
こちらでも、コーヒーとお菓子をごちそうになってしまった。ありがとうございます。


まだオープンしていないが、福井和泉スキー場の様子を見に行ってみる。
僕らはスノーボードをするので、1月2月あたりに休みが取れたらまた、遊びに来てくれるという。
雪の無いスキー場を見る機会もあまり無いな。

道の駅九頭竜で少しお土産を購入。
お弁当やお惣菜を出している方々から、余ったもののお裾分けをいただいた。ありがとうございます。
半分こし、スーツケースに詰めて持って帰ってもらうことに。


きのう「もう帰るの?」と言われて、あした来るから、と答えてしまった手前、再び児童館を訪れる。
いい遊び相手を見つけたとばかりに、相手をさせられる青木くん。

しかし子どもたちからすると、僕らはもう「おっちゃん」なんやね。
哀しいが、受け入れねばならない現実である。


佐宗隊員邸に戻り、なぜか差し入れに持って来てくれたアナログゲームを、二人で試しプレー。僕が勝ちました。
シンプルだけど戦略も大切な「チーキーモンキー」というゲーム。
子どもらと一緒にやったり、ちょっとした集まりなんかでやったり、活躍の場がありそうだ。

荷物をまとめて「平成の湯」へ行き、温泉に入って温まる。
夕飯は街なかで、大野市の名物「醤油カツ丼」を食べようとなるが、水曜日は定休のところが多い。


が、調べてもらったところ「田嶋屋」さんが営業していた。
こちらは白身魚のフライが評判なのだが、フライもカツも味わえるハイブリッド醤油カツ丼、HSKなるメニューが存在する。
当然、うまい。

すごいね、何でもおいしいよね、とは青木ちゃん談。
米や水はうまいし、だからか野菜や魚もうまいし、料理上手な人ばっかりだし。
福井県は、大野市は、和泉地区は、ほんと何を口にしても間違いなくうまい。


そして福井駅まで送ると、東京行きの夜行バスで帰っていった青木氏。
直角シートの軽トラでずっと連れ回して申し訳なかったが、和泉の色んな人との出逢いを楽しんでもらえたようだ。

八王子の、僕の数少ない友人の一人。
集まれば軽口を叩いたり素直に気持ちを表現しなかったりするけど、一緒にいるとやはり、どこか落ち着くものがある。
今日お会いした方も口にしていたが、気心の知れた間柄というのは、大切なもんだ。

また遊びに来てくれよな!


2015年12月1日火曜日

【12月1日(火)】 例えば、離れていても 何年経っても [活動237日目]

「ぜったい遊びに行きますよー」
「こんど飲みましょうねー」
「お誘いしますからー」

口先だけ。言うだけ言って、行動まで伴わない人ばっかりじゃないですか。
経験則では、10人中9.9人くらいが、それ。
まあ僕が好かれてないだけなのかもしれないですけど(笑

そんななか高校時代の、十年来の友人が、僕を訪ねて来てくれました。


大都会、東京は新宿で暮らし働く彼は、仕事終わりに夜行バスで福井駅まで来てくれました。
朝、迎えに行き、帰りしなに「ユトリ珈琲」でモーニングセットとカレーで腹ごしらえ。うまい。


一人暮らしのお母さんとこで、一緒にお手伝いしてもらう。
4月に越してきてすぐに作った雨よけを、本格的に雪が降る前に撤去する作業だ。


ぼく一人だったら大変だったろうが、男手ふたつでサクッと終了。

来年度から新しい協力隊が来るのであれば、来春はその人がつくることになるだろう。
手が空いてれば、僕も手伝いに来ますけどね。


裏の畑でネギを収穫する、東京人。
「スーパーで買ったら、一本100円くらいしますよ」

都会で生きてたら野菜が群生する光景なんて見ないし、土に触ることすら無いでな。


穴馬(あなま)かぶらの漬物をおすそ分けしていただく。助かります。


お昼には、「道の駅九頭竜」で買った まいたけ弁当や天ぷらなどをご馳走になる。助かります。



その「ゆーちゃん」とのツーショットを撮っていただく。
僕よりイイ男でしょ?いまを煌めくIT戦士。お嫁さん募集中ですよ!


いったん佐宗隊員邸に戻り、ひと休み。
和泉地区だけで流れるケーブルテレビの、こんなお知らせも新鮮なようだ。


それから和泉郷土資料館を訪ねて館内を見せていただき、コーヒーをご馳走になる。
保育所に顔を出して子どもたちと戯れて、


児童館を訪れて子どもたちと戯れて、


「パークホテル九頭竜」のハーブ湯に入らせていただく。


紅葉が終わり、スキーシーズンには早いこの時期、お客さんは皆無だ。
貸し切り状態で、裸の付き合い。


そして夜、婦人会とJA女性部の合同懇親会(ただしメンバーはほぼ共通)に呼んでいただいていた。
友人も一緒に良いですかと聞いたら歓迎してくださるということで、ありがたく参加させていただくことに。


オードブルに、お母さん方の手づくり料理の数々。豪勢だ。
ヘタな高級料理店なんかに行くより、こういう手料理の方がよっぽどウマいですよね。


和泉の名だたる(?)お母さん方25名の前で自己紹介する、ゆーちゃん。
料理に舌鼓を打ち、


ビンゴ大会では補助を担当。


参加者全員が何かしらの景品をゲットし、残ったものは僕とのジャンケン大会で争奪。


僕がいただいたのは、こちらの二つ。
肌は乾燥しやすいし、氷のストッカーは家に無かったし、助かります。



「ゆーちゃん」には、今日だけで数十人の和泉人に逢ってもらった。やはり想ったのは、
「人が温かいよね」
というところだったようだ。

言わずもがな、これほどの人のつながりは、都会には無い。
一般的に田舎というのは「排他的」なイメージがあるようだが、それも全く感じなかったという。
そうだな、僕も派遣されて来る前は聞かされていたのだ。「和泉の人は警戒心が強いよ」と。
だけど実際に暮らしてみたら、「あん?どこがや?」というくらい、拍子抜けするくらい、皆さん仲良くしてくれる。

もしかしたらそれは、鉱山の全盛やダムの建設時に、
全国から人が集まっていた時代のある、和泉の特色なのかもしれない。
でも、ともするとそれは、「田舎」といわれるほぼ全ての地域に当てはまるのかもしれないとも思う。


その彼も、仕事の都合で明日の夜には帰ってしまう。
もう一日、色んな場所・人・食べものなど堪能してもらい、和泉ファンになってくれたら。
またスノボでもしに近々、遊びに来てくれたら。
嬉しいね。


【11月30日(月)】 苦しみの怒涛砕くか [活動236日目]

木工所の雪囲い作業へ。


うわあぁぁ…
軒下に保管していた板の間では、へくさんぼ(カメムシ)が大量に死んでいる。
芳ばしい薫りを放つヤツらは、温かい場所を求め彷徨う。田舎ではよくある光景ですね。


予め設置してある枠に、


板を嵌め込むだけの簡単な作業。
あとは保育所を訪れたり、えいご教室の準備をしたり。


それも今夜で20回目。
12月に入るので、クリスマスに関する単語を導入する。
サンタクロース・プレゼントなどは問題ないが、ソリ・飾り・トナカイなどは子どもらも初めて。
しかし似た言葉を見つけて、上手いこと覚えようと努力していた。素晴らしい。

場を温めるがてらジェスチャーゲームを始めるも、案外気に入ったらしく、結局ずっとやっていた。

こんなとき、ぶった切ってもう一段先に進んでおくべきなのか。
ゲームのやり方もフレキシブルにし過ぎず、もうちょっと厳格にすべきなのか。
余計な口が多かったり、ちゃんと座っていなかったりする子には、もう少し強めに注意すべきなのか。

「指導」でもあり「遊び」でもある、えいご教室。
20回やっているくせに、最善の運営方法が掴めず、まだ苦しく感じることは多い。
こういう優柔不断なところが、人にものを教えるのに向いていない、さらにはヘタレである所以だな。


教室のあとは、青葉の笛保存顕彰会の皆さんと一緒に篠笛の練習。
今週は自主練習もサボり気味だったし、まだまだ音が掠れる。

道のりは長い。


2015年11月29日日曜日

【11月29日(日)】 ただ少年の真っ直ぐさを 失くしたくないだけ [活動235日目]

大野市に移り住んできた人たちが集う、移住者交流会に呼んでいただいた。

自然体験や移住・定住の促進事業などを行なっている「奥越前まんまるサイト」の主催。
今年度は、これで二回目。6月の第一回にも参加させてもらっている。


和泉地区から山を下り、ふたたび上り、阪谷(さかだに)地区へ。

まんまるサイトのスタッフさん3名、僕を含めた移住者8名、
市役所・結の故郷(ゆいのくに)推進室で移住・定住を担当する兄さん2名、が参加。


まずは、しめ縄づくりを体験させてもらえることに。
やった。お正月用に、自作したいと思っていたのだ。


ワラをぶっ叩いて、


柔っこくする。
数本ずつ縒って巻いたら、


こうなる。下から、6本・12本・16本のワラをつかって練習。太い方が見栄えが良いね。
ただしこれは「通常用」の巻きだ。


ふたたび16本をつかい、集中モードで作業。
先のものと比べ、捻り方向が逆になっているのがお分かりいただけるだろうか。これが「お正月用」になるらしい。


ま、初めてにしては上出来やろ。


さて、輪っかにするのは後回しにし、みんなでお外へ。
遠くの山々は、うっすらと雪を被っている。阪谷も、和泉と同等の寒冷・豪雪地域だ。


メインは焼き芋だが、他にもいろいろ焼いてみる。
小学生ふたりが持ってきたマシュマロをビスケットで挟んだり、


バターとシナモンを詰めて焼きリンゴにしたり、僕が持ってきたネギをホイル焼きにしたり。


男の子がドローンを持ってきていた。かっけー


軽く興奮する、いい大人たち。


㈱昇竜が販売している、穴馬(あなま)かぶらのピリ辛煮も持参。和泉のPRもしとかんとね。


お芋が焼き上がった。ほくほくして、甘くてうまい。
聞いたところ、福井県あわら市特産の「とみつ金時」だそうだ。有名なブランドである。おいしいはずや。


おリンゴも焼き上がった。シナモンが程よく香り、リンゴ本来の甘みが残っていてうまい。


お柿も焼き上がった。僕が持参したうちの一つだけ、実験的に投入しておいたんですね。
だいぶ柔らかく、桃のような食感。そして無味だが、ほんのりと甘さが残っている。
マズくは無いから、高齢者や病中には良いかもしれない。


段々と冷え込んできたところで、撤収。屋内へ戻り、


しめ縄づくりの続き。
半紙を切って折って紙四手(かみしで)にして、紐で付けたら完成。

見た目は悪いかもしれないけど、良いのである。自分でつくることに意味がある。
何でも買えば済ませる時代。原点に還り、四苦八苦して愛情を籠めて自作するのも、大切なことなのさ。


会は解散し、街のほうへ降りる。結の故郷推進室の兄さん方と、手打ちうどん屋さん「真邑(しんゆう)」へ。
そば屋が多い地域柄、うどんは珍しい。


「かま玉うどん定食」をごちそうになる。ありがとうございます。
釜揚げうどんは、もちもちした食感を愉しめるのが良いですね。

ちなみに知ってる方は知ってますが、協力隊になる直前の二ヶ月間だけ、
某うどんチェーンの「○亀製麺」で仕事してました。英会話講師と掛け持ちして。
そんなプチ情報いらんすか。さいですか。



ところで昨日の視察研修も今日の交流会も、活動ともいえるし休日の息抜きともいえる。
そのあたり曖昧な「緑のふるさと協力隊」だが、そこが面白いところでもあるのだ。
色々と楽しくやらせてもらえる、ありがたい環境やなと本当に思う。

参加した皆さん、お疲れさまでした。
まんまるサイトの皆さん、楽しい時間をありがとうございました。第三回もまた、呼んでください。
あるのか分からんけど。