大野市の街なかに諸々の用事があるのだが、国道の通行止めは未だ続いている。
雪崩止めの柵を設置する工事が終わるまで、数日の間は解除されないらしい。
というわけで、九頭竜湖駅から越美北線(えつみほくせん)に乗っていくしかない。
ウソみたいだろ。JRなんだぜ。これで。
運行は日に5本。この真っ白な時刻表、好きだぜ。
通行止めを受けて、プラス2本、臨時運転もしてくれている。
もちろん一両編成。編成って言わないか。
ディーゼルだから、電車じゃない。みんな「汽車」と呼ぶ。
街から和泉へ仕事に通う方々も、これで通勤して来ていた。始発は、逆の方々が多かったろう。
消防分遣所・電力会社・郵便局・保育所・役所・ホテルなどの、関係者さんたち。
よく知った人々が降りてきて、よく知った地区の人々が乗っていく。
「こういうときでもないと乗らんなあ」「汽車があるのはありがたいのー」
同席した方々とお話ししながら行く。僕も、乗るのは年に二回くらいだな。
でもたまに乗車すると、楽しいものである。
この越美北線、四季折々の景色が最高で、知る人ぞ知るナイスなローカル線だ。
これは窓越しだから、ちょっと汚れてる写真だけど。
街の方へ下りてくると、一面の田園風景。いまは雪景色。
いつも車から見てる画でも、角度が変わると全く違って見えるものだね。
大野市の中心部、越前大野城の麓あたりで、
細々とした用事を済ませていく。
贈答用にお酒を購入すべく、個人的に好きな酒蔵へ。
お姐さんが勧めてくれたので、新商品などを初試飲させてもらった。
いつもは車だから無理だけど、今日は心配無用なので。ちょっと嬉しいね。
毎年このシーズンに催される、越前おおの ひなまつり。今年も観に来ておいた。
およそ2,000体もの雛人形が展示されるのだが、見事である。
日本晴れで、ぽかぽかと暖かく気持ちが良い。
ぷらぷらと歩くのも、たまには良いもんだ。
数時間に一本の汽車を待つあいだ、時間調整。カフェじゃなくて、コーヒー店へ。
コーヒーをお供に読書とか、意識高い系ヒゲ坊主になってみる。
でもたまには、こういう時間も良いね。
ところでより処のコーヒーは愛情を籠めて淹れてるし、我ながらおいしいと思うけど、
やはり本物は全然ちがった。うまい。より処も、豆から挽こっかな。
帰りの汽車も、知り合いの人たちが多かった。
動脈である国道が通行止めとなってしまうのは、不便極まりない。
ただ、いつもと違う視点で一日を過ごすのは新鮮だったし、楽しかった。
仕事に多大な影響がある方々は、一ミリも楽しくないだろうけども。
僕は一人、なんだか心も穏やかな日となったのであった。
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