2016年4月23日土曜日

【4月23日(土)】 ゴミできらめく世界が 僕たちを拒んでも [住民30日目]

「クリーンアップ作戦」と称した、地域清掃の日。和泉地区の住民と、関係する会社や団体各位が集まる。
昨年も、協力隊に着任して二週間のところで参加させていただいた。もちろん新隊員もお手伝いに来ている。


所属ごとに十のグループに分かれ、和泉周辺の国道及び県道を、ゴミ拾いしながら歩く。


福井と岐阜を繋ぐ一本道の国道は、交通量が多い。それに比例して、ゴミの量も少なくない。
缶・ペットボトル・瓶・弁当の容器・食べものの包装・ビニール・煙草・雑誌・金属・産廃・よく分からないもの等々。
カナダ自転車横断時代は ひたすら道路脇のゴミを見せられていたから、それに比べると日本は何倍もマシだけど。

それにつけても、平気でポイ捨てする人の感覚というのは、全く以て理解できない。
ゴミはゴミ箱へ。未就学児にもできることを、なぜ守れないのか。
断言するが、僕は飴の包み紙ひとつもポイ捨てしたことは無い。誇ることでも何でもなく、全人類がそうで然るべきだろう。


小さな、青色の波紋のようなカード。道ばたにずっと、けっこうな数で落ちていた。たまに大きいサイズも。
宇宙との交信に使用するのか、何かのロゴなのか、3Dアートなのか、ロールシャッハテストなのか。
ネットで画像検索したけど、分からなかった。謎である。ご存知の方いたら、教えてください。気になって夜しか眠れません。


一時間半ほどで集められた廃棄物は、この量。このあとにも、まだ到着する。
回収と分別は、和泉支所はじめ市職員さん数名と新隊員が担当。
参加者の皆さんは解散だが、元協力隊の僕としてはお手伝いの血が騒ぐので、一緒に作業する。
ふだんお世話になってもいるしね。

「これが一番たいへんな作業なのよねー」
去り際に、誰かが言った。分かってんなら手伝えや。


そしてこれは、本当にえらい作業であった。
例年は、ある程度の分別をしながら参加者が回収するらしい。だが今回は上手く伝わっていなかったのか、完全にミックス状態。
一つひとつの袋から缶やペットボトルなど抜き出すのは、かなり大変だ。体じゅう汚れるのを厭っていては、先に進まない。
黄色い液体の入ったペットボトルは中身を捨てねばならないし。悪臭を纏いながらドロドロになりながら、無心で。

「ゴミと向き合うってのは、尊い仕事だね」
支所の方と話すのであった。


お昼に「喫茶INOUE」のソースかつ丼をごちそうになり、英気を養う。おっと仏箸、お行儀が悪かったな。
「何だか、体に沁み渡るね」
支所の方と話すのであった。ただでさえ美味いけど、よく働いたあとは ひとしおである。

その後も分別をし、粗大ごみも含め全てトラックに積み込み、作業が終わったときには未の刻に突入していた。
参加者は数十人もいたんだから、全員でやってれば一瞬で終わったろうに。
拾うだけ拾って、「あー良いしごとした、あとの整理よろしく」みたいな感じでみんな帰っていくのも、何だか腑に落ちない。
来年度以降の実施方法は、改善される必要がある。

とはいえ、そもそもの悪の根源はポイ捨てをする人たちだ。その事実に相違は無い。
小さな罪も巡り廻って、いつか己を苦しめることになる。そこを理解しといた方が良い。


身体的にはもちろん精神的にも疲れる作業をしたので、今日はもう何もせず過ごすか。


と思ったのだが、に来てみた。


お母さんと一緒に、去年つかっていたマルチを剥がして丸めていく。今シーズンも再利用するのだ。
買うと けっこう、馬鹿にならない値段なのである。使えるものは、大切につかう。

日暮れ前には、マルチの留め具を一人で回収するなどしていた。
畑のなかで黙々と作業していると、心が落ち着くのを感じる。
人間、アスファルトばかりでなく、土の上に立つのは たいせつなことだと思うね。


畑のご家族三世代とご近所のお母さんから、差し入れをいただいてしまった。ありがとうございます。
主食・副食・デザートを手に入れ、今日も貰いもので食をつなぐことができるのであった。ごちそうさまでした。

ゴミにまみれ、土にまみれ、汗にまみれ、よう動いた一日。疲れのなかに、爽快感もある。


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