6月11日(日)
橋を渡って、
屋代(やしろ)島というのを一周。60kmくらいだったか。
本土に戻り、
………
………………
広島県に突入。
交通量の多いこと。日曜日ということもあってか知らないが、所々で渋滞している。
広島市にやって来た。車線も車もたくさんで、これは疲れる。
大小の道が縦横無尽に入り組んでいて、人が溢れている。
地図で目星を付けた駐車場に行こうとするも、辿り着けなかった。パーキングも無数にあるので、適当に停める。
平和大通りを歩いていく。街での運転はぜんぜん平和じゃなかったけど、などと思いながらも、
訪れておかねばなるまい。長崎に次いで、
平和記念公園。日本人も外国人も、けっこうな人がいた。
原爆の子の像。ちょうど、小学六年生だという子たち10名ほどが、黙祷を捧げ始める。
その後ひとりずつ、平和のためにできることというテーマで、大きな声でスピーチをしていた。
原爆ドーム。実際に目にすると、その存在感に圧倒されるかのような感覚がある。
あの日からずっとこの場所で、ただ静かに、人間へのメッセージを発し続けている。
死没者追悼平和祈念館。正面には、8時15分を表すモニュメント。
入ってスロープを下りていくと、厳かな追悼空間。
館内の一部は、フラッシュを焚かなければ撮影できるようだ。
原爆の犠牲となった人々と同数、実に14万個ものタイルを用い、被爆後の街並みを再現しているという。
あとは、資料や映像を観て歩いた。
ヒロシマを訪れた一人ひとりが、何か少しでも感じることができれば。それが平和への、ひと足となるだろうか。
近くでは高校生たちが、平和を求める署名活動を頑張っていた。ちょうど良かった、一人分だけ増やすことができた。
気を取り直し、歓楽街をぶらぶらしつつ、駐車場へと帰っていく。
その途中、お好み村というのが。広島といえばお好み焼きだったな。食べておこうかとお店を覗くが、人でいっぱい。
違う場所に、その名も大野というお店があった。ではこちらにしようか。
気の良さそうなお母さんが二人で、丁寧に対応してくれる。
10分15分くらいかかるというので、待たせてもらうことに。わくわく。
その間、新聞に目をやる。温泉に行った湯あがり時などもそうだが、こうした地元紙を読むのもちょっとした楽しみ。
一面は、ちょうど原爆関連。広島市の小中学校では、毎年8月6日を登校日として、平和学習をするのが通例だったらしい。
それが今年度から無くなるようだ、という記事。市独自の休日とするそうである。
お好み焼きが完成。おー、うまそう。焼きそばをベースに、肉・玉子・イカ天を入れてもらった。
シャキシャキの野菜に、ふわふわの生地に、とろとろのオタフクソース。これは旨いわ。さすが本場。
広島市脱出を試みる。合流地点では車が全く途切れないので、スキマを見つけて滑りこんでいくしかない。
もう怖い。こんなところで生活してるんだから、都会人て凄いな。僕には無理。
隣の呉市に入ると、ようやく交通も落ち着いてきた。さすがゴーゴーロクだぜスムーズだぜ、
などと訳の分からないことを呟いたところで、聞いてくれる人もツッコんでくれる人もいなかった。
旅とは、孤独なものである。
橋を渡って、南方の倉橋島というところへ。
ここでも他でもどこへ行っても、広い道でも狭い道でも、皆さん実によく飛ばす。
第一のはずの安全が、もはや第五くらいには追いやられているようだ。
手前が事故るぶんには自業自得だけど、同乗者や他人まで巻き込まないでね。
島の南端の温泉へ。浴場がなかなか独特の構造をしていて、おもしろかった。
おんちゃんたちがルール守ってなかったり、がっつり刺青の入った人がいたりしたが、まあよくあること。
寝場所を求めて走るも、アテが外れる。
本土側へ戻り、ちょっとした山道を上ると、海を臨める公園のような場所が。もう暗くて、よく見えないけど。
他に誰もいないし、思いがけず、静かなところで眠れそうである。
[大体の走行ルート] ※実際の運転とは必ずしも一致しない
【走行距離:260km/Total:10,569km】
6月12日(月)
ひと晩を過ごさせてもらった場所。
砲台跡、だそうである。
四国の、愛媛県もちょっと見える。もう近い。
清盛さん、おざっす。あざっした。
県道へ下りていこうと思ったら、とんでもなく狭い道に入り込んでしまった。
ふつうに住宅や車が並んでいるので、ふつうに人が住んでいる。すごいな。
いやいやいや、落ちるじゃん。こんなところで脱輪したら、しょうもないぞ。
しかし考えすぎると進めなくなるので、己の感覚を信じ、無心で前へ行く。無事に脱出。
広島コーラというのがあるらしい。はっさく果汁入りの、爽やかな黒色砂糖水だ。
ちなみに最近は、甘ったるい飲みものをあまり好まなくなり、ただの炭酸水とかを飲むことが多くなってきた。
旅の影響か、歳のせいなのか。いずれにせよ、シュガーまみれの食生活は宜しくないからな。
これはこれで、おいしかった。
橋が見えてきた。
いよいよクワトロステイツ、四国へ向けての上陸作戦が開始。
さようなら、ラージアイランド広島。いやカープアイランドか。そもそも島じゃないけど。
旅とは孤独な以下略。
ひとつ向こうの向(むかい)島までは、一般道で行けた。そこから先を、しまなみ海道で。
自動車専用道は走らないのが旅の基本だが、これは仕方ない。
水陸両用車なら良かったけど。それはそれで、色々と申請とか面倒くさそうだね。
ふだんは時速50km60kmくらいだから、たまにスピードを出すとちょっと怖い。
景色も愉しみたいところだが、わき見運転してると死んじゃうので、時折コンマ4秒くらいでチラ見する。
写真も撮りたいところだが、ながら運転してると死んじゃうので、時折コンマ8秒くらいでノールック撮影する。
橋の形状も、それぞれ違っておもしろい。
そして愛媛県。
まずは今治市だが、思っていたほどの都会でもない。充分に街だけど、程よい規模という感じか。
静かな商店街もある。
街なかの料理屋さんを訪れる。新潟在住のカナダ時代の友人、のお母さん、の御兄弟が経営されていると、
カナダメンバー同窓旅行の折に聞いていたのだ。同じ名のお店が他にもあったので、こちらで合ってるのか恐るおそる。
合ってた。 友人のお母さんと似て、快活な大将だ。
ちょうど宴会が入っていたらしく、お忙しいところを申し訳なかったが。料理は間違いなく、旨い。
朝獲れだという鯛を出してくれた。これは弾力が凄くて、もう旨い。
本当に美味いもんを食べたときは、うまいしか出てこない。ごちそうさまでした。
あと、居合わせた高齢の御夫婦が、旅の応援をしてくれた。経験は、自分だけの消えない財産になるんや、と。
こういうことしてると賛否両論あるし、自分でも葛藤等々あるわけだけど、そう言ってもらえると嬉しいものである。
松山市まで移動して、
温泉施設へ。露天がかなり開放的だった。日中だったら、目の前の浜辺から丸見えだろう。
だがその半面、海が見渡せるという好ロケーション。
ずっと海沿いをベースに走っているわけだが、同じ海でも違う海、いまは瀬戸内海だ。
この辺りは、伊予灘になるのかな。
[大体の走行ルート] ※実際の運転とは必ずしも一致しない
【走行距離:212km/Total:10,781km】
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