佐世保市に来たからには、食べねばなるまい。
佐世保バーガー。名前ばかりでどんなものかは知らなかったのだが、
手づくりかつ注文を受けてからつくり始める、というスタイルのようだ。あとは玉子焼きの挟んであるものが多いようである。
食べたのは、お肉のたっぷり入った、佐世保バーガースペシャル。
10分くらいの待ち時間があるが、それに応えてくれる美味であった。
これといったスポットには立ち寄らず、のんびりと景色を眺めながら、車を走らせる一日。
夕陽の見える道の駅。ちょっと時間は早いけど、お風呂なしでここに泊まるかな。
と思ったものの、やっぱり長崎市内まで走る。
昔ながらの銭湯に来てみた。
入口から女湯と男湯に別れていて、入ってすぐの番台には番頭のおばちゃんが座っている。350円を支払う。
時代を感じさせる、完全に昭和の雰囲気だ。昭和しらんけど。ちょっとワクワクしてくる。
古い靴箱とロッカー。浴場も広くはなく、洗い場のシャワーは固定式。お湯と水それぞれ、プッシュ式の蛇口。
BGMに、まったく知らない演歌が流れている。中央に小さな湯船。2,3人も入れば一杯だ。
隅っこには、もっと小さな湯船。ちょっと刺激強めの電気風呂で、もはや1人用。そして、やはり小さな水風呂。
脱衣所には、普通の家庭用ミニ冷蔵庫。何種類かの飲みものが申し訳程度に入っているので、牛乳を買って飲む。
数十年来のお客さんなのだろう、地元のおじいちゃんたちが数名、穏やかな時を過ごしていた。
帰りがけ、一人のおじいちゃんが小さめの声で「おつかれ」と言って微笑んでくれる。
まさか声をかけられると思わず油断していたので、どうも!と返すので精いっぱいだった。しかし素敵だぜ、そういうの。
たまには、こういうお風呂も良いものだな。
[大体の走行ルート] ※大雑把に示しているため、実際の運転とは必ずしも一致しない
【走行距離:183km/Total:7,555km】
5月31日(水)
長崎市近辺には道の駅も無いようなので、昨夜は車中泊できる場所を探して、しばし走り回っていた。
市街地から外れたところに、道路公園という駐車場を見つけたので助かった。
利用していて文句を言われず、変な輩が たむろすような場所でなければ、どこでも良いわけだが。
基本的に道の駅で寝泊まりしているのは、これらがまずクリアされているからである。自分で探し周らなくて良いし。
和泉地区の方に、長崎県でオススメのお店がある、と聞いていたので諫早市へ。
情報と完全に一致する場所では無かったものの、たぶんここだろうと。
長崎といえば、ちゃんぽん。これを食べねばなるまい。
具材がたっぷりと乗っており、かなりボリューミーだ。スープはコクがあり、それでいてスーッと喉を通る。
野菜のシャキシャキ感や肉と練りものの軟らかさも絶妙で、またそれぞれの味が活きている。
そして麺がそれらを引きたてるように、しっかりした土台として存在している。
旨かった。これは美味かった。和泉の方が言ってたお店と違うかもしれないけど、もはや僕の中では正解だ。
再び長崎を訪れる際には、また食べにこよう。
佐世保バーガーもちゃんぽんも食べたし、長崎はほぼ完璧かな。
否、ちゃんぽん屋さんに向かう途中で、気付いてはいた。
ちょっと待て長崎で訪れるべき場所に行ってないだろ寝ぼけてんのか、と。
諫早市から長崎市へ、一時間弱ほどかけて戻る。坂の多い街だ。
平和公園。小学生や中学生や高校生が、いくつもの学校から、たくさん訪れている。
平和祈念像の前では、代表の子たちがスピーチをし、黙祷をし、
南の方へ少し行くと、原爆落下中心地がある。
ここにも学生さんたちが集まり、先ほどと同じように想いを捧げていた。
公園内には、各国から贈られたという像がいくつも設置されている。
他に防空壕の跡や、爆心地に近かった収容所の遺構など。
あまりにも生徒さんでごった返していて、ゆっくりと観られなかったのがちょっと残念。
こういう場所を訪れるのは、日中を避けた方が良さそうだな。
公園の横は、もう普通に街である。
浦上(うらかみ)川。被爆した人たちが水を求めて集まり、何千体もの死体となって浮いていたという。
揺らめく水面には、その数千の無念や苦しみが見えるようだった。ほんの70年前の出来事だというのが、信じられない。
先へ行こう。 街には路面電車も走っている。慣れていないため、路電用の信号で発進しそうになったり。
右左折時に、衝突しないのこれ先に行って良いの、とヒヤヒヤしたり。疲れる。
眼鏡橋もチラ見しておいた。全然メガネが分からない写真だけど。
九州限定だって。
交通量の多い道を走り、車一台ぶんの狭い道を走り、視界が開けてまた、
こんなとこや、
あんなとこや、
そんなとこを走る。
島原半島の南側、すなわち南島原市の方をぐるりと周ろうかとも思ったものの、今日は運転に疲れた。
雲仙市に直行。ミニチュアなヘルのホットスプリングに墜ちてみることとする。
到着したのが、17時25分くらい。入口の案内を見ると、日帰り入浴は18時までとある。やば。
すみませんまだ大丈夫ですか、と受付のお姉さんに聞いてみたところ、オッケーをもらった。ラッキー、僕が見た希望。
浴場は広めで、洗い場数15ほど。
大きい湯船には、白く濁ったお湯がたゆたっている。ほんのりと硫黄臭が漂うが、含有量は多いらしい。
そしてこの時間の来館が功を奏したようで、完全に一人占めできてしまった。なんと贅沢な。ふれあいの心。
ギリギリの18時まで、全身で味わうのだった。のぼせた、最高である。幸せの青い雲。
おー、もくもくしてる。
ここは、さすがに硫黄の臭いが非常に強い。住人の方々は、もはや慣れてしまうのだろうか。
雲仙岳の臨める道の駅に到着。
ここに隣接していたのが、土石流被災家屋保存公園。
四半世紀ほど前に被害を受けた家々、十戸ほどがそのまま保存されている。
一階部分、あるいは二階部分までもが、完全に埋もれてしまっている。
人家が、いとも簡単にこんな姿になってしまうのか。
こうして形で残されていると、その恐ろしさは一目瞭然だ。
東日本大震災の被災地には衝撃を受けたが、こちらもまた、自然の脅威を見せつけられた。
地球のもたらすものは避けられないのだろうけど、
人のもたらすものは無くすことができるはずだよね。
[大体の走行ルート] ※大雑把に示しているため、実際の運転とは必ずしも一致しない
【走行距離:220km/Total:7,775km】
0 件のコメント:
コメントを投稿