2015年8月10日月曜日

【8月10日(月)】 若葉のふるさと協力隊 四日目 [活動124日目]

あと一日半となった若葉のふるさと協力隊、今日で四日目です。

タイトなスケジュールでみんなお疲れ気味ということもあり、
朝一番に予定していた化石発掘体験は見送ってスロースタートとする。

自転車でお隣の集落へ移動し、僕がいちばんお手伝いに来ているお母さんのところへ。
昨年に亡くなった旦那さんに、みんなでお線香を上げる。なんという奇遇か、まさに今日が命日であった。
みんな普段することもないようなので、これはこれで良い経験だったかなと思う。


まずはみんなで畑の草刈り。人海戦術だ。

しかし炎天下で黙々と作業していたため、ひとり具合が悪くなってしまった。
支所の担当者さんに迎えに来ていただき、診療所へ。
軽い熱中症とのことなので、点滴を打ち、しばらく安静にするという。

隊員の体調管理が行き届かないのは、完全にコーディネーターである自分の力不足である。
慣れない環境のなか、ここまでほとんど自由時間もつくれずに無理をさせ、疲れを溜めてしまった。
申し訳なさと、至らない自分への憤りを強く感じる。


さて、その後は手押し耕運機で2畝だけ耕す。
思った以上に握力が必要で体も持って行かれる農機具を、順番に体験してもらった。


畑で獲れたてキュウリを丸かじり体験。
「となりのトトロ」で、さつきちゃんとメイちゃんがやっていたやつだ。甘くて超うまい。


アホじゃないかと思うくらい暑いので、しばらく佐宗隊員邸で休憩。
昼食はウィンディさんの名物「かつとじ定食」をいただく。超うまい。

午後もしばらく休んでもらい、


夕方から公民館へ向かい、明日の流しそうめんの準備。
ずっとお世話になっている公民館の方と支所の方が切ってきてくれた竹を二つに割り、
フシを取ってヤスリで削っていく。


ぶっ倒れる前に作業を切り上げ、公民館内で休憩。
居合わせた区長さんとお話しする隊員たち。


営業時間は終わっているが、化石発掘体験場へ。
僕もちょくちょくお手伝いに来ているので、ある程度の説明はできる。
貝や植物の化石を、物珍しそうに見つめる隊員たち。

活動期間ちゅう最後のハーブ湯で汗を流したら、


夕食をみんなで作る。大野市産のおいしいお米を炊き、


先日の料理教室で覚えた、穴馬スイートコーン冷スープをつくり、


第二冷蔵庫(来客用お酒保管庫)を物色し、


最後の晩餐。
おかずに、まだ残っていた とんちゃん(ホルモン)を焼く。

お酒も飲みつつ、それなりに楽しそうに食事を進める面々。
だがその横で、考えに耽る僕。

今回、和泉の魅力を伝えたいあまり、予定を詰め込み過ぎてしまった。
そのため充分に休む時間も取れず、隊員5名に無理を強いてしまった部分が多々ある。

活動中ずっと天気が良いなか、屋外での作業が続き必要以上に汗をかかせてしまった。
せっかく皆さんがつくってくれた料理を無駄にしまいと、常に満腹状態にさせてしまった。
不安定なスケジュールで、常に振り回してしまった。
その結果、体調不良者も出してしまったのである。

その一方、隊員たちに対する物足りなさも正直、感じていたのだ。
今回「若葉のふるさと協力隊」があるということで、誇張でなく100人以上の方々が協力や支援をしてくれた。
若者5人が来てくれることを皆さんものすごく楽しみにしており、
手料理を用意してくれたり根回しをしてくれたり野菜をくれたり物を貸してくれたり応援してくれたり。

……だが、その想いは隊員たちに届いていたのだろうか?

自分から話や質問などをすることなく黙っていたり、
地域の皆さんが準備や片づけを一生懸命するなか、隊員たちは何もせず手をこまねいていたり、
和泉支所長の家に招いてもらったときも、配膳の手伝いをするでもなく座って見ているだけだったり。
口では礼を言っていても、感謝の気持ちや礼儀というものが、どうにも感じられなかったように思うのである。

それはつまり、ここまで良くしてくれた和泉の方々に申し訳ないと思う気持ちと、
和泉の方々の気持ちを伝えきれなかった自分に対する憤りの気持ちとが混在する。

参加者たちは今回、19,000円という参加費を払い、さらに東京・神奈川からの交通費も負担している。
だからというのもあり、口うるさく指導するようなことは、しづらかった。
それぞれに参加した目的も違うし、強く言って和泉の印象を悪くするわけにもいかない。

普段できないような経験もあり、少しでも楽しいと思ってくれた部分があっただろうか。
それならまあ、良いのかもしれないけれど。

でも僕は、今回のプログラムは失敗だったのではないかと思ってしまった。

ひとり、泣いた。

自分で触れるのもどうかと思うが、
この五日間のために、たくさんの人と話して根回しをし、家の掃除や整理をし、
必要な物をかき集め、自腹でもそれなりの負担をし、
でも参加者が楽しんでくれるならと、和泉の魅力を知ってもらうためならと、ずっと努力してきたつもりだ。

しかしそれが無為だったのかと思ったとき、それは虚しい気持ちになった。
けっきょく自分の力など、その程度だったのかと。
明るく気丈に振る舞っていたつもりでも、結局は ただのヘタレだったのかと。

いやもちろん、参加者たちは慣れない仕事をずっと頑張ってくれていた。
ずっと気を張っていることなど、不可能なのだ。

要するに僕は、自分が情けないのである。
結局すべて、僕の独りよがりだったのかもしれないと。

ただただ、悔しかった。










……地球緑化センターの担当者さんから、電話があった。
泣きながら想いを吐露し、励ましていただいた。
あと一日、がんばろうと思った。





そして、隊員たちにも話をした。
今回、和泉の人たちがどれだけ楽しみにしてくれていたかということ。
利害関係とかでなく、ただただ来てくれるのが嬉しいからこんなに良くしてくれ、
また来てくれよと、笑顔で本心から言ってくれたこと。

自分でもよく考えがまとまっていないし、ちゃんと伝わったかは分からない。
でも明日、公民館の流しそうめんを楽しみ、笑顔で帰ってくれたら。
少しでも、各々が参加した目的のヒントを得られていたら、それで良いのかな。

このブログを更新しているいまも、隊員たちは一生懸命に、模造紙に「いずみ通信」を書いている。
この五日間で感じたことを、思うままに、形に残してもらうのだ。

どんなものをつくってくれるのか、楽しみだな。


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